1.住宅ローンの基本!
1-1.住宅ローンとは
住宅ローンとは、その名の通り、住宅購入や改築するために金融機関から借りるお金のことです。
もちろん、現金で一括購入できればよいのですが、数千万円の住宅費用を手持ちのお金で賄うことは難しいため、ほとんどの人が住宅ローンを活用し、月々の返済をしていくことになります。
基本的に、購入した物件を担保として金融機関から融資を受けて、借入金を返済する仕組みになっています。
1-2.住宅ローンは何に使える?
住宅ローンは、住むための住宅の購入であれば基本的にはどんな物件でも利用できます。マイホームであれば、新築戸建や新築マンションはもちろん、中古戸建・中古マンション・住宅を建てるためであれば土地の購入においても利用できます。
ただし、住宅ローンは物件によって借入条件や利用条件が異なります。例えば中古住宅であれば、建物の耐久性などによって、借入期間に制限がかかる点に注意が必要です。なお、居住を目的としているものであれば、店舗併用住宅でも利用可能です。一般的には、床面積の2分の1が居住用である等、店舗面積と住居面積の割合に制限が設けられています。
2.【住宅ローンの上限】借入上限金額や金利、月々の返済額について
2-1.いくらまで借りられる?
残念ながら、住宅ローンは希望金額が全額借りられるとは限りません。借入可能額については、①年収②返済負担率③完済年齢などの基準をもとに、金融機関が審査の上、決定します。それでは見ていきましょう。
- 年収
審査を通す上で、現在の勤務先や年収を示す必要があります。融資を行う金融機関は、これらの情報をもとに、その人の「返済能力」の有無を判断しています。住宅金融支援機構(※1)の調査によると、購入者の世帯年収に対して、所要資金は約7倍が平均となっています。
- 返済負担率
返済負担率とは年収に占める住宅ローンの返済額の割合のことです。
「返済負担率=年間の返済額の合計÷額面年収×100」で算出されます。
住宅ローンの借り入れについては、当然金利がかかるため、返済期間を短くしたいと考える方も多いです。ただ、月々の返済額が大きくなると、日々の生活費がひっ迫にも繋がるため、無理のない範囲で返済計画を立てることが大切になってきます。
金融機関にもよりますが、例えばフラット35では年収400万未満の場合は返済負担率30%以下、年収400万円以上の場合は返済負担率35%以下と定められています(※2)。日々の生活費等も鑑みて、一般的には25%以内に抑えておくのが安心だと言われています。
- 完済年齢
完済年齢とは、融資を受けた住宅ローンを何歳までに返すかという基準です。国土交通省住宅市場動向調査(※3)によると、ローン返済期間の全国平均は、30年以上となっております。例えば、40歳で借入を開始した場合、平均通りで行くと最終返済は70歳となり、70歳で今と同じ水準の返済をしていく必要があるのです。70歳ですと定年退職している可能性もあり、その期間も返済はしなければならないため、それまでに蓄えておく必要があります。できる限り、定年退職前には大半の返済を終えられるように計画を立てることが重要となってきます。
2-2.頭金は必要?
住宅の購入にあたって住宅ローンを組む際は、一般的には費用の一部を頭金として最初に支払います。上記借入可能額に対して、希望物件の購入価格が高い場合には、ある程度の頭金が必要になってきます。また、月々の負担を下げたい、返済期間を短くしたいと思ったときに頭金を入れることができれば、当然借入額は少なくなります。
頭金の目安ですが、一般的には購入価格の20%といわれています。しかし住宅購入の際には税金や手数料等の諸費用がかかってきます。諸費用は一般的に5%といわれているため、25%準備しておくと安心かもしれません。
・頭金を用意するメリット
住宅ローンとして借り入れる金額が減るため、返済に対する負担を軽減することができます
・頭金を用意するデメリット
頭金を用意するには時間がかかります。頭金の用意に時間がかかると、住宅ローンの開始時期が後ろ倒しになるため、完済時期も同様に後ろ倒しになってしまいます。
2-3.金利の違いは?
住宅ローンを比較する際に、基本になるのが金利になります。金利とは、借りている金額に対して払う利息のことです。「金利タイプ」を選ぶ際には、自分のライフプランにあった金利タイプを選ぶことが必要です。将来収入が減る、教育費がかかるなど、家計収支の変化がある場合や、金利上昇によるローン返済額の増加に対応できるか等により、住宅ローンの「金利タイプ」の選び方は変わります。
金利については大きくわけて①固定金利②変動金利があります。固定金利とは返済期間中の適用金利が一定になる金利タイプです。変動金利とは返済期間中に適用金利が変動する金利タイプです。適用金利が見直されるタイミングは金融機関によって異なりますが、半年に一度見直されるのが一般的です。
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
- 固定金利
・全期間固定金利型
メリット:借入時に金利が固定されるため、将来金利変動の影響を受けず、返済額が確定している
デメリット:借り入れ後に金利が低下しても返済額が変わらない
- 変動金利
・固定金利期間選択型
「当初3年間○%」など、一定期間、固定金利が適用され、期間が終わると、変動金利が適用されるタイプ
メリット:固定金利期間中は返済額が確定しており、固定期間終了後に金利が低下すると返済額が減少
デメリット:固定期間終了後に金利が上昇すると、返済額が増加し、固定期間終了後の返済額が確定しないため、返済計画が立てにくい
・変動金利型
金融情勢の変化に伴い返済の途中でも定期的に金利が変動するタイプ
メリット:借入後に金利が低下すると返済額が減少
デメリット:借入後に金利が上昇すると返済額が増加し、将来の返済額が確定しないため返済計画が立てにくい
3.実際に住宅ローンのシミュレーションをしてみよう
・前提条件
借入希望額:5,000万円
金利:1%
返済期間:35年
返済方法:元利均等返済
ボーナス返済額:0円 の場合
・シミュレーション結果
毎月返済額:141,142円
年間返済額:1,693,704円
総返済額:59,279,640円
自分自身のライフプランを計画し、その結果、収入の何倍まで住宅資金に充てられるか、中長期的に支払っていけるかを検討することが大事になってきます。
4.住宅ローンはどこから借りる?
4-1.住宅ローンサービスの提供者
住宅ローンとは主に「公的ローン」、「民間ローン」、「フラット35」の3種類に分けられます。それぞれ見ていきましょう。
●公的ローン
公的機関が融資する住宅ローン。財形住宅融資や自治体融資などの種類があります。
●民間ローン
民間ローンとは民間の金融機関が提供している住宅ローン。一般的なローンのイメージは基本こちらではないでしょうか。金融機関によって審査基準、サービス内容が違うため、自分の条件にあった住宅ローンを見つけやすいというメリットがあります。また、万が一の際に金融機関が住宅ローン返済を肩代わりしてくれる団体信用生命保険への加入が必須としている金融機関が多いことも特徴として挙げられます。民間ローンはメガバンク、地方銀行、ネット銀行に括ることができ、それぞれ特徴が異なります。
・メガバンク
住宅ローンの審査が点数制となっております。年齢・年収・勤続年数・借入希望額から点数を導き出し、ローンの利用可否や金額が決まります。比較的金利が低く、審査のスピードも速い点が特徴です。
・地方銀行
メガバンクやネット銀行に比べ金利はやや高めですが、個人に合わせた柔軟な対応をしてもらえるため、審査についても比較的通りやすい点が特徴です。
・ネット銀行
対面の店舗を持たず、基本はインターネットを通じた取引になります。ネット銀行の住宅ローンは人件費等の経費が抑えられるため、メガバンクや地方銀行に比べ低金利です。一方で、審査は柔軟性に乏しく、やや厳しい点が特徴です。
●フラット35
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して運営する住宅ローンのことで、最長35年の長期固定金利である点が特徴です。借入時から完済時までの金利が固定されるため、返済計画が立てやすい住宅ローンとなります。
4-2.東京都で借りるなら!おすすめ金融機関!
それでは実際にどこの銀行の住宅ローンを使うのがいいのか?先述の通り、個人によって重視するポイントは異なるかと思いますが、独断でおすすめの金融機関を紹介させていただきます。
・住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン・変動金利
おすすめポイント
①業界内でも最低水準の低金利
ネット銀行の強みを生かして、最低水準の低金利を実現しています。また「三井住友信託銀行」との所定の取引を満たせば更に金利が安くなるプランもあります。
②充実の保障内容
団体信用生命の保障内容が充実しています。一般的には団信で8八大疾病(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中、(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)を保証する場合には金利の上乗せが求められますが、こちらを無料で付帯することが可能となっており、万が一への備えも充実しています。
③来店不要、自宅で完結!
ネット銀行ならではの、WEB申し込みが可能で、来店が不要なのもポイントです。コロナ禍での外出が気になる方にはもってこいでしょう。またローン借り入れにかかる際の保証料や繰上返済の手数料が無料なのも大きな特徴です。また返済口座への資金移動も0円となっているため、毎月自動で給与口座から移動できるのもうれしいポイントです。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。夢のマイホーム実現に向けて、将来的なライフプランを踏まえて、「どんな家なら住めるか?」、「毎月の引き落としがいくらくらいなら支払っていけそうか」等をしっかり検討したうえで判断することをおすすめします。
※1 住宅金融支援機構(https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html)
※2 フラット35(https://www.flat35.com/kaitei/kansoka19.html)
※3 令和2年度 住 宅 市 場 動 向 調 査 報 告 書 国土交通省 住宅局